関節のコブ ガングリオンの原因は?潰すのは良い?
手首や足首の皮膚の下に「グリグリとしたかたまり」ができたことはありませんか?
もし正体不明のしこりやかたまりができていたら、それは「ガングリオン」と呼ばれるものかもしれません。
詳しくみていきましょう。
ガングリオンとは
「ガングリオン」という名前から「ガンの一種ではないか?」と思われがちですが、医学的には「腫瘤」と呼ばれ、良性腫瘍の一つです。
関節の動きをよくするためのゼリー状の滑液が袋状のものに溜まることで腫瘍となります。
比較的若い女性に多くみられますが、老若男女誰にでもできる可能性はあります。
しこりやかたまりの固さや大きさは個人差がありますが、一見コブのようにポコンと飛び出でているのが特徴です。
ガングリオンの原因
ガングリオンは、手首や足首に負担がかかるような使い方をしていないのにできてしまうことがあります。
ガングリオンは関節を包む膜や腱鞘に現れますが、原因はその部分に通常とは違う異常物質が発生するからと考えられています。
またヘバーデン結節との関連性があり発症すると、ガングリオンも一緒に発症することが多いようです。
その他、ストレスも原因の一つとみられますが、根本の原因はまだ解明されていません。
ガングリオンができやすい場所
ガングリオンは、主に関節周囲にできやすいのが特徴です。
特に手首、足首、手足の甲が一番多く、次いで手のひら、指、膝のほか、骨や筋肉、神経にできることもあります。
自分でつぶすのはNG
指で触れたときガングリオンがもし柔らかければ、何となく自分でつぶせそうな気がします。
しかし自分でやるのは絶対NG。
神経や筋肉を痛める危険性がありますので、必ず医師の適切な診断と治療に任せましょう。
必ず医師の診断を!
良性腫瘍のため、痛みやしびれなどがなければそのまま放っておき、自然治癒に任せても問題ないようです。
しかしガングリオンがとても目立つ大きさだったり、わずかながらも大きくなりつつある場合、また他の疾患である可能性も否めないことから、医師の診断を受けるのがベストです。
そして、診断してもらう科目は整形外科か形成外科です。
注射で採取したガングリオンの中身を調べ、同時に必要であれば、MRI(健康保険適用外で約7〜8,000円)か超音波検査(健康保険3割負担で約3,000円程度)を行ってガングリオンかどうか診断します。
ガングリオンの治療法は?
- ガングリオン穿刺(せんし)術
- 摘出手術
- レーザー治療
- 治療が必要ない場合も
注射でガングリオンの中身を抜きます。麻酔をしないため治療には痛みがあります。
しかし中身は抜いても袋そのものはまだ残っているため、再発の可能性があります。
健康保険が効くため、一回の治療代は3割負担で約1,000円〜1,500円程度です。
数回の治療を行ってももしまだ再発するようであれば、摘出手術を視野に入れます。
腕全体に局所麻酔をかけ、ガングリオンを袋ごと切除します。切除にはメスを使用します。
再発の可能性が極めて低い方法ですが、場合によっては入院の必要もあります。
費用は症状や場所、大きさによって変わります。
入院した場合、退院後の治療代を含めると約10〜20万円程度で、それ以上になる場合もあります。
レーザー治療は、2〜3ヵ月間の間に週2〜3回ほどの通院治療によりガングリオンを除去します。
保険が効き、1回の治療費は3割負担で約500円ほどです。
ガングリオンは、絶対に取り除かなければならないものではありません。
小さいためそれほど目立つものでなかったり、痛みやしびれがなければ治療を行わない場合もあります。
最後に
目立つ場所にできやすいガングリオンは、一刻も早く無くしてしまいたいもの。
様子を見ながらもし大きくなっているようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。
治療方法はいろいろありますから、症状に合わせ的確な治療を受ければ、もうガングリオンに悩まなくても済みます。