肌がかゆい!顔カビ・鼻カビ・耳カビの原因と対処法
お風呂場や押入れなど湿気のたまりやすい箇所に発生するのがカビですが、実は私たちの体にもカビが発生します。
足にできる水虫が「白癬菌というカビ」というのはよく知られていますが、なんと「顔や耳、鼻の奥にまでカビが繁殖することがある」ことを知っていましたか?
今回は、この体に繁殖している「カビ」についてお届けします。
顔のカビによる症状
皮膚には元々常在菌としてカビの一種マラセチア菌が付いているのですが、近年この菌によって肌の炎症が起きることが分かってきました。
- 脂蝋性(しろうせい)皮膚炎
- マラセチア毛包炎
- 顔水虫
マラセチア菌の影響で生じる皮膚炎です。
鼻の周囲やおでこ、頬など皮脂腺が発達している箇所に起きる炎症で、赤い発疹と強いかゆみに悩まされるのが特徴です。
マラセチア菌や細菌が繁殖して起きるのがマラセチア毛包炎です。
顔全体に赤いニキビや吹き出物のようなブツブツができます。
一般的なニキビ用の薬はまったく効かないのが特徴です。
原因不明の顔のかゆみは顔水虫の疑いがあります。皮膚の細かい傷から白癬菌が繁殖します。
一般的な皮膚炎の塗り薬は効果がありません。
顔カビの対処法
まずタオルやまくらカバー、化粧道具など、顔に触れるものは小まめに洗濯するなどいつも清潔に保ちましょう。
しかしカビを気にして顔の洗いすぎるのは常在菌も洗い流してしまうので逆効果です。
皮膚炎の塗り薬は薬局で簡単に手に入りますが、改善が見られない場合症状が悪化してしまうことも!
必ず皮膚科の診察を受けるようにしてください。
鼻の中に生える鼻カビとは?
花粉症やアレルギー性鼻炎に悩む人はとても多く、今や国民病とさえ言われています。
症状がひどくなると鼻水、鼻づまりからストレスフルにもなりがちです。
しかしこの「鼻水、鼻づまりの原因はカビかもしれない」のです。
鼻のカビが原因の症状
- 副鼻腔真菌症
鼻の中は高温多湿なため、カビにとっては実に好環境なのです。
副鼻腔にカビが住み着いても免疫機能が働けば悪化はしにくいのですが、糖尿病などで一旦免疫機能が落ちると重度の急性副鼻腔炎となったり、50%の致死率となる可能性もあります。
鼻カビの対処法
健康診断の際に頭部CTで偶然見つかることが多い副鼻腔炎真菌症は、医師の診察でもなかなか発見しにくい症状です。
顔カビ
受診の目安は一般的な黄緑色のドロッとした鼻汁が出る、ボーッとする、鼻や口からイヤな臭いがするといった「蓄膿症とほぼ同じ症状がある時」です。
迷わず耳鼻科の診察を受けましょう
耳の中にカビが生える?
いつも耳のかゆみを感じるとき、耳のカビが疑われます。
耳のカビは耳真菌症と呼ばれ、気づかずに症状が進行している場合もあります。
やはり免疫力が低下しているときにカビが発生しやすくなっており、放置したままだと聴力に影響が出ることもあります。
耳カビの対処法
耳がかゆくて仕方がないとき、綿棒で雑に掃除したり自己判断せずに、必ず耳鼻科の診察を受けましょう。
検査で耳真菌症と診断された場合、約一か月ほどの通院と適切な治療でカビの胞子が無くなり「完治」となります。
肌を守るのが常在菌の役目ですが、ひとたび免疫力が落ちると、暴君になってしまうこともあるようです。
「肌のかゆみや不調はカビかもしれない」と思ったら、すぐにでも医師の診察を受けてみるといいかもしれません。