赤ちゃんの「便秘」効果的な解消方法と予防
赤ちゃんは、人の人生の中でも最も身体も心もキレイな真っ白な状態です。
食事もお母さんの母乳や、消化の良い離乳食が中心なので、まさか新生児が「便秘」になるなんて想像もしなかったんじゃないでしょうか?
もし赤ちゃんに、
「哺乳量が少なくなった」「最近うんちの量が少ない(コロコロうんち)」
「ちゃんと母乳を上げてるのに体重が増えない」「うんちをする時すごく息む」
などの状態が現れたら便秘の可能性を疑った方が良いです。
赤ちゃんの便秘には何日間うんちが出ないと便秘だという定義はありませんが、進行すると自力では排便できない状態になり、お腹がはり苦しませてしまうことになります。
赤ちゃんの成長のために良い食べ物(IN)とともに、健康な排泄(OUT)をさせてあげるのが健康状態を保つには大切です。
幼児期は健やかに育てるための大切な期間ですからね。
ナーバスになりすぎるのもダメですが、赤ちゃんにはストレスの無い毎日を過ごさせてあげたいものですよね。
そこで、今回は赤ちゃんの便秘についてお届けしたいと思います。
便秘の原因
赤ちゃんにも個人差があり、2,3日うんちが出なかったりする場合も多々ありますので、すぐに心配する必要はありません。
どちらかというと普段と比べて“うんちが硬い”、“コロコロしている”という変化を見てあげることが大切です。
そしてそんな変化を感じた時は、次のような原因が考えられないか考えてみてください。
- 水分不足
- 母乳・食事不足
- 運動不足
- 手足、身体の冷え
- ストレス
赤ちゃんの便秘原因で多いのが、この水分不足です。
新生児は体重の80%以上が水で(大人は60%以上)大人よりも脱水しやすいため多くの水分が必要です。
飲みすぎじゃない?と与えないようにしていると水分不足になり便が硬くなり便秘になりやすくなります。
ミルクを与える場合は、しっかりと量を測った上で飲ませるので問題ありませんが、母乳の場合実際飲んだ量がわかりずらいため、量が不足している場合があります。
“体重が増えていない”“母乳を与えたのにすぐグズる”時は母乳(食事)不足かもしれません。
運動量が減ると食事の量が減ります。
また腸の動きにも影響を与え便秘の原因になります。
身体が冷えると胃腸機能が低下します。
また副交感神経にも支障をきたし便秘になりがちになります。
赤ちゃん自身のストレスはもちろん、母親のストレスにも敏感に反応すると言われています。
夫婦喧嘩をしていたり、母親がストレス過多の場合赤ちゃんが便秘するといわれているのもそのためです。
その他にも、母乳から離乳食に切り替えた事で便秘になる子も多くいます。
それは母乳(水分)しか摂取していなかったお腹に、固形物が初めて入ってきたため、未熟な胃腸が対応できていないためです。
ですが、離乳食を続けているうちにお腹も徐々に慣れて解消されますので、離乳食を続けていって問題ありません。
赤ちゃんの便秘解消法
赤ちゃんが便秘の場合は、どのような対応が必要になってくるのでしょうか。
まず覚えておきたいのが、赤ちゃんと大人とでは便秘解消法をそのまま実践しても効果が薄いということです。
例えば乳酸菌を増やす等の方法は、大人には効果的ですが赤ちゃんにはあまり意味がありません。
赤ちゃんの便秘解消で効果的なのは以下になります。
- お腹のマッサージ
- 綿棒で刺激する
- 砂糖水を飲ませる
- 幼児用イチジク浣腸
便の流れを良くするため、大腸(おへその辺り)を右回転にやさしくなでてマッサージしてあげます。
お風呂に入れて湯船の中で行うとリラックス効果も働きより効果が高まります。
マッサージ
綿棒浣腸と呼ばれる方法で、綿棒とお尻にベビーオイルやオリーブオイルを塗り1,2cm程肛門の中に入れて10秒ほど刺激してあげます。
授乳後(食後)30分程で行うのが胃腸が動いていて効果的です。
※刺激するとそのまま脱糞する場合があるので、下に新聞紙など敷いておきましょう。
砂糖水は浸透圧が高く水分を吸収します。飲ませる事で大便内の水分量が高まり便通が良くなります。
作り方は、水100ccに対して5gのグラニュー糖か砂糖を入れます。そして人肌程度に温めてよく溶かします。
飲ませる量は20~30CC程度で十分です。
即効性が高いのは、幼児用浣腸を使う事です。
但し使用回数が多いと身体が慣れてしまう場合がありますので、あくまで緊急用にとどめておきましょう。
特にイチジク浣腸は実際は問題ないのに、母親が便秘だと勘違いして使うパターンもありますので、お医者さんに相談した上で使用した方が良いですね。
便秘予防はどうすれば?
そもそも「便秘」になってから解消するよりも、できるだけ事前に予防してあげる工夫が必要かと思います。
そこで母乳時期と離乳食時期別に効果的な予防法をご紹介します。
【母乳時期】
◆できるだけ温かい格好をさせる
冷えが便秘の原因になる場合が多いので、できるだけ温かい格好をさせてあげましょう。
特に冬場の外出時はベビーカーに防寒用のシートをつけるなどのケアが大切です。
◆お風呂上りの白湯
只でさえ脱水量の多い赤ちゃんですから、お風呂上りは特に水分が不足します。
お風呂上りには白湯を飲ませて水分補給することで、水分量を満たしてあげましょう。
◆オリゴ糖を入れる(ミルクで育てている場合)
母乳が出にくいなどの理由から、ミルクで育ててらっしゃる場合は、母乳よりも便秘になりがちです。
ミルクで授乳する場合は、オリゴ糖をミルクに混ぜて飲ませてあげましょう。ちなみに量は1日に5gで十分です。
【離乳食時期】
◆繊維質の物を食べさせる
サツマイモ・ホウレンソウ・バナナなど食物繊維が豊富な食材を意識的に食べさせるようにします。
◆マッサージ運動
運動不足を普段から解消するため、オムツをかえる際などに両足を持ちグルグルと自転車を漕ぐように動かしてあげます。
運動不足解消とともに腸の刺激にもなりますし、スキンシップとしても効果的です。
◆早寝早起き
規則正しい生活は排便のペースが作りやすくなります。
大人の都合で夜更かしさせるなどはせずに、早寝早起きを心がけましょう。
赤ちゃんの腸内環境を整える
「腸内環境」という言葉は最近良く聞かれるようになりましよね。
腸内には数多くの細菌が常駐していて、人間の体にとって無くてはならない存在です。
そんな腸内菌には「善玉菌」と「悪玉菌」が大きく分けているのですが、名前の通り善玉菌の数が多くなければ腸内環境は整いません。
そして善玉菌を増やすことが便秘解消はもちろん、免疫力向上など強い体づくりに欠かせないため、赤ちゃんにもこの点を意識してあげて欲しいのです。
赤ちゃんの腸内環境を整える方法
では具体的に善玉菌を増やして腸内環境を整えるにはどうすればよいのでしょうか?
- 離乳食をやや遅めにする
- 肉食は少なめに
- オリゴ糖の摂取
- 多くの人とのスキンシップ
もともと赤ちゃんの腸に多く存在していたビフィズス菌などの善玉菌は、離乳食開始とともに大きく減ってしまいます。
離乳食を遅らせることで、善玉菌を腸内に長く定着させることができ、アレルギー発症予防にもつながるといわれています。
赤ちゃんはまだまだお肉が消化吸しにくいので、質の良いお肉をごくわずか程度で十分です。
最近では粉ミルクの成分質が上がってきていて、オリゴ糖など腸内フローラを整える成分が含まれたものも多いです。
基本的に良質な最近の多い母乳がベストですが、粉ミルクを利用されている方は、そのあたりの成分をチェックして利用されることをおすすめします。
意外かもしれませんが、お父さんお母さんだけでなく、多くの人に抱かれたりスキンシップすることで様々な種類の菌をもらうことができ、赤ちゃんは強くなっていくのです。
中には潔癖的に自分の子供を他人に抱かれたくない、、と考える人もいるようですが、多くの人に抱かれたり触られることは、結果赤ちゃんの体作りに大きく貢献してもらっているのです。
今回は赤ちゃんの便秘についてお届けしました。
便秘は個人差もあるのである程度は仕方ありませんが、通常の体の機能が弱まっている証拠でもあります。
そして、どんな身体の変化にも必ず原因があります。
当然一人一人によってその原因や効果的な対処法も異なってきますので、まずは毎日の排便状況を良く観察して、把握しておく事が大切になってきます。
そして対処するにも赤ちゃんの様子をみつつ対処し、もし不安な場合はお医者さんに相談しながら対処してあげるようにしてくださいね。