中秋の名月ってどういう意味?秋はなぜ月がきれいなの?
中秋の名月。
秋になるとよく聞くフレーズではないでしょうか?
でも、具体的にどういう意味合いなのかを知っている人は少ないのではないですか?
秋は月がキレイに見え、カレンダーでも月の絵がよくみられますが、なぜ秋=月がきれいなのでしょうか?
今回はこの中秋の名月について解説していきます。
中秋の名月とは
中秋の名月の中秋とは、中秋(旧暦8月15日)の月を「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」と呼びます。
具体的な日付としては、
・2015年9月27日(日)
・2016年9月15日(木)
・2017年10月4日(水)
・2018年9月24日(月)
と毎年変動しています。
中秋の名月の由来
中秋の名月を鑑賞することはこれまた中国から伝わってきました。
奈良時代にはすでに貴族の間では、お月見の宴が定例的に開かれていて、月を愛でていたと当時の歌集や様々な物語に描かれています。
また、秋に月が美しいというのにも、科学的な理由があり、美しく見えるのは秋の時期は空気が比較的乾いているからなんです。
つまり、空気に含まれている水蒸気量が少なく、大気がぼやけたりすることがあまりないため、くっきりとした月が見えるんですね。
お月見のお供え
お月見といえば、お供え物ですね。
中秋の名月でのお供えは、月が出てくる方角へ、机や三方などを置いて、その上に月見団子、お神酒、サトイモ、枝豆のほか、秋に収穫される果物などや、秋の七草(萩(はぎ)、薄(すすき)、撫子(なでしこ)、葛、女郎花(おみなえし)、藤袴、桔梗)から適当に花を選んでお供えします。
また、なぜお供えをするのかというのは、
庶民の間では、月を神聖なる神としてあがめ、農民は秋の収穫物を供えて五穀豊穣を祝い感謝する祭りをしていたのです。
秋は実りの秋と呼ばれ、様々な作物が収穫される季節です。
ほぼ30日で満ち欠けを繰り返す月は、古来から農作物の種を植えたり、収穫したりする目安カレンダーとして重宝されてきました。
農耕では種まきや収穫の時期をいつにするか、といったときに、昔から月の満ち欠けを基準とした暦を頼りにしてきましたんですね。
そういった、農耕に役立ってきた月に感謝の意を込めて、収穫された作物をお供えして感謝の意を表した、というのがそもそもの始まりといわれています。
世界中でお月見は行われている?
月を愛でて、虫の声に耳を傾ける、、そんな風情を感じているのは日本人独特な部分もありますが、月に感謝を示し、お祝い事などを行う行事は世界中にあるんです。
元々月見が入ってきたのは中国の影響ですし、韓国でも月見をして月餅を食べるという風習があります。
その他にもイスラム圏では、その国旗に月(主に三日月)が描かれています。
ですから、イスラム圏の人々は、普段から月をみては尊び、喜び、特別視しています。
イスラム圏の人々にとっては、月は自身や宗教的観点からみても「象徴」のようなものです。
また、ヨーロッパ圏では、秋分の日に一番近い満月を「収穫月」、その次の満月を「狩猟月」と呼んで、どちらも収穫を祝うお祭りの意味を持っています。
その一方で、ヨーロッパには「月の光によって気がおかしくなる」といった言い伝えもあり、「狼男」の伝説や、夜にしか行動が出来ない「ドラキュラ」がその象徴です。
月の影響で海の満潮や干潮が起こったり、人のカラダや様々な現象に影響を及ぼすといわれていますよね。
とても不思議な存在の月を、中秋の名月だけでなく、感謝とともに愛でるのもよいものですね。
今年の秋はぜひ、月をゆっくりと見上げる時間をとられてみてはいかがでしょうか?