子育て終了症候群【子育てロス】を回避する対策方法
妊娠を機にその後、長きに渡り人生のターニングポイント「子育て期」に入る女性たち。
特に出産から育児にかけては慣れないことばかりで、髪振り乱し、なりふり構わない生活を強いられることは避けられないでしょう。
「一生懸命子どもの世話をすることに気持ちを向ける」これが子育ての基本ですが、それも長く続くわけではありません。
ある日、ひな鳥が巣立ちをしていくかのように子どもが自立するときは、必ず来ます。
一生懸命だった親といえば、ただただ「ポカーン」と口を開け、現実を受け止めるのに精一杯。
自分の血と肉を分けた子どもの巣立ちは親にとって、安堵ばかりではなくむしろショックかもしれません。
精神的に不安定になることも多い「子育て終了症候群(子育てロス/子供ロス)」をうまく回避できる方法はあるのでしょうか?詳しく探ってみましょう。
膨大な「エネルギー」を使う子育て
子育てに使うエネルギーは、他のどの行動にも負けないほど膨大なものです。
出産時、新生児だった赤ちゃんは日々大きくなり昨日できなかったことが今日できるようになる、など毎日が新しいことだらけ。
しかし子どもたちは親や保護者たちのケアのもとに成長できるのであって、自分一人では生きていけません。
そのために使う親のエネルギーは常にトップギアでなければなりません。
些細なケガや病気にも神経を使い、ましてや重篤な病気やケガは何としても避けなければなりません。
もしそうなったとしても子の全快を願い介抱するエネルギーは、さらに親としての強さも生み出します。
このように自分の保身のみが優先だった独身時代に比べ、子どもとともに暮らす生活はエネルギーの使い方が100%違うものになります。
子育て中のうつ症状はいつ頃出る?
- 子育て初期
- 子育て中期
- 子育て後期
子育て中は何かと思いどおりにならないことだらけです。
まるで自分が試されているかのような試練の連続で、その第一歩は「幼児のイヤイヤ期」です。
赤ちゃんの頃とは打って変わって自分の意思を表現するようになる幼児に、思わず手を上げたくなったことも一度や二度ではないはず。
しかし「虐待」という言葉が頭の中を駆け巡り、大人である自分が我慢することしか選択肢はありません。
自分の言うことを聞いてくれない我が子に対し「何がいけないのか?」と深く悩みます。
誰も自分の辛さを分かってくれないといったマイナス思考からストレスフルへと進み、遅かれ早かれうつ状態になるのは目に見えます。
子どもはその成長により自分でできることがどんどん増えます。
母親や保護者の出番が少なくなると同時に「自分」というものへの疑問が沸き起こるのもこの時期。
子どもとの生活の日々が淡々と過ぎていき、大人との会話がゼロという日さえ出てきます。
特別に入れこんでいる楽しみがない限り、生活そのものが苦痛に思えることが増えてきます。
子育てが完了する少し前、特にこどもたちが大人に見えるような容姿になる中学生や高校生になる頃、子どもらの興味は一気に「外」へと向けられます。
「終電に間に合わない時間なのに帰ってこない」「学校を無断で休む」「どこかへ行ったまま連絡がない」など、親の頭を悩ます行動は大挙にいとまがありません。
こうなると親の心労は精神的苦痛からうつになることも大いに考えられます。
子育てロス最大の難関は「子どもの自立」
子どもの自立で、最も大きい変化は「子どもが家を離れる」という行動です。
その理由の多くは進学、就職、同棲、結婚です。
子どもたちは自宅を「実家」と呼ぶようになったり、新生活を始めるにあたりウキウキ気分なのに反し、まるで取り残されるような気分になるのが「親たち」です。
今まで寝ても覚めても常に思考の片隅にあった子どもの存在が「ある日すっかり消えてしまう」これはまったく予想もしていなかったことですよね?
ましてや膨大なエネルギーを使った子育てが「もう終了した」とは思いたくないのです。
これは親たちにとって最大の難関といえます。
大きな変化を前向きにとらえられないとき、精神的なバランスを崩し、うつや不眠になることもあります。
子育てロス(子供ロス)を軽減する対応策
うつや不眠などの精神的苦痛は、ふと気づくといつの間にかそうなっていることもあります。
子どもの自立による精神的苦痛の大きな原因は「孤独感」です。
そしてそこから発露する喪失感へと続きます。
その状態は一時的なこともあれば長く続くこともあり、大事な人がいなくなる「子育て・子供ロス」という状態です。
我が子はいつまでも子どものままでいるはずもなく、いつの日か親から巣立つものです。
それをふまえ「子供ロスが起こりうることを事前に想定しておく」ことでその苦しみを軽減することができます。
- 子どもにかかりきりにならない
- 一人を楽しむ時間を作る
良かれと思いながらとる子供への接し方が、もしかすると過干渉になっていることもあります。
子どもへ向ける強い思いを、今までより少しだけ減らすことができれば、子育て中に無意識に隠し続けていた「本当に自分がやりたいこと」を再発見できるかもしれません。
人生を潤すような楽しみが何もない人に「こどもロス」は起こりがちです。
子どもの自立とは、本来喜ばしいものです。
もし子どもの自立により心にぽっかりと穴が空いてしまったように感じたらそこがターニングポイント!
試練になるか、幸せになるかは、自分自身が決めることになります。
子供ロスにならずに済むには少々勇気が必要で「一人で自由気ままに行動する楽しさを味わえるようになる」のがポイントです。
「お金が無い」「親の介護をしなければならない」など、行動しない理由はいくらでもつけられます。
しかし人生の素晴らしさをとことん味わうためには、子どもが巣立ってくれることが必須なのです。
終わりに
愛くるしい赤ちゃんだった子どもがどんどん大きくなるにつれ、思いもよらぬ反抗期を迎えたり、ケガや病気など「心配や不安が尽きないのが子育て」です。
しかし何ごとにも終わりはやってきます。
子育て終了はむしろ喜ばしいことなのです。
それでも「つらい」と感じるのであれば、すでに大人として成長し続ける我が子に相談してみるのも一案です。
子どもたちは親よりも進化した存在なのです。
親子で様々な思いを共有してみれば、きっともっと楽になりますよ。