「海塩と岩塩の違い」岩塩のメリットや使い方は?
お料理にはマストな「お塩」。
いっときの塩ブームは落ち着いたものの、いまだスーパーの塩コーナーには数えきれないほどの種類の塩が並び、こだわりやクオリティの需要はあるようです。
それらお塩の中でひと際目を引くのが、きれいなピンク色をした「岩塩」ではないでしょうか。
ピンクソルトといわれるピンク色ばかりでなく、透明な岩塩もナチュラルなパワーストーンのようで、思わず買ってしまった人もいるのでは?
そんな岩塩についてちょっとだけ詳しくなってみましょう。
目次
岩塩ってどんなお塩?
レストランのテーブルなどに置かれたピンク色のお塩を何度か見かけたことがある人も多いはず。
たいていの場合、ミル付きのボトルに硬い結晶状の岩塩が入っていてガリガリと挽きながらお料理にふりかけるようになっています。
岩塩とはその名のごとく「岩のように固まっている状態のお塩」です。
しかし市場に出回っているものの中には食用に適さない岩塩もあるのを知っていましたか?
岩塩の生成の過程は、なんと数億年から数千年前からとかなりの古代へとさかのぼり、その源(みなもと)は海水でした。
その海水が地殻変動などにより大陸にせき止められ、蒸発、結晶化などのプロセスを経て地中に圧縮され、現存する岩塩となりました。
「海水が化石化した岩石」と考えると分かりやすいですね。
現在、岩塩のそのほとんどはアメリカやヨーロッパ、ヒマラヤなどから産出されています。
そして全世界の塩の消費量の2/3以上はこの岩塩で、その用途の半分以上は積もった雪を溶かすために使われているということです。
海塩と岩塩はどこが違う?
日常的に家庭で使われている多くの白い塩はいわゆる「海塩」です。
では海塩と岩塩にはどのような違いがあるのでしょうか?
採取方法の違い
「海水を蒸発させて作られた海塩」に対し、岩塩は「化石化した海塩を採掘したもの」です。
そしてその採掘場は海から遠い場所にあるというのも特徴です。
ミネラルや塩分の含有量
マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれている海塩に対し、岩塩には実はミネラルはほとんど含まれていません。
逆に海塩に比べ岩塩は塩分がやや強い塩分なのも特徴の一つです。
溶け方の違い
岩塩は石ころのような塊です。
一般的な家庭用としての用途は、この石ころのような岩塩を手で持って岩塩同士をこすり合わせたり、おろし金でおろして粉にしてから使用します。
海塩と比べ岩塩は溶け方が遅いため料理の味付けの際に注意が必要で、調味料として混ぜこむ場合も溶けにくさから味がなじみにくくなるため、サラダのドレッシングなどにはあまり向いていないようです。
異物混入について
岩塩には砂などの異物が入っている場合があります。
ナチュラル志向の人にとってはそれが逆に魅力に映るようですが、料理に使う場合は衛生面で少々問題かもしれません。
料理用に使いたいときは特に品定めに注意が必要ですが、無難なのは色のついていない透明な岩塩といえます。
岩塩のメリット・おすすめの使い方
海塩と岩塩の違いをみたときに「それじゃ海塩でよくない?」という疑問もわいてきますが、岩塩には岩塩のメリットともいえる良い部分も当然あります。
- ステーキを焼くとき
- バスソルトに使うとき
ステーキを焼く前の振り塩は、余分な水分を出し肉を引き締める効果がありますが、岩塩の場合粒が大きいので溶けにくく肉を引き締める効果は期待できません。
その代わり塩の粒がこんがり焼けたステーキにはぴったりの好相性というメリットがあります。
ひと味違うしっかりした味付けを楽しみたいという場合は、岩塩を使うのがおすすめです。
岩塩を2〜3個バスソルトとして浴槽に入れゆっくりと浸かりましょう。
岩塩の効果で体が芯までよく温まるので、冷え性改善、疲労回復や睡眠不足などに抜群の効果があります。
ここに注意!「まとめ」
岩塩を購入する際には「その形状と成分表示を確かめてから」が大切です。
硬い石のようであれば岩塩ですが、100%ナチュラルなものですから若干の異物混入も想定内に入れておきましょう。
もし品名に溶解採鉱(釜炊き)と記載がありサラサラとした精製塩のようであれば、品名が岩塩とあってもその性質は著しく異なったもの。
これは岩塩とは違うものとみた方が良さそうです。
それぞれに特徴のある岩塩と海塩ですが、使用用途やお好みに合わせ使い分けるようにしてみてくださいね。