冷房病の原因と予防法!自律神経との関係性は?
夏になると体力が低下し、体もだるいし、病気にもなりやすいなんてことをよく聞きます。
オフィスにいる時間が長い人は、冷房で体がだるくなってしまうともいいます。
この冷房病、実は、自律神経失調症が深く関係しているのです。
そもそも自律神経とは?
自律神経失調症は現代よく聞く言葉となっています。
ホルモンバランスとも深いかかわりがあると言われていますが、まずは自律神経とは何か?という事から理解していきましょう。
自律神経というのは、人が生きていくために無意識に動かしている体の機能を調節している神経です。
物を取ろうとすれば脳が指令をだし手を動かして物を取ります。
移動しようと思えば同じように脳が指令をだし足が動いて移動できます。
でも何かをしようと思わなくても自然と動いている部分がありますね。
そう、心臓、肺などの臓器は、私たちが何かをしようと意識せずとも、自分たちのすべきことをしてくれています。
息を吸う、血液を循環する、消化するなどの無意識なうちに動いている部分は、自律神経が調節し動いているのです。
この自律神経には副交感神経と交感神経があります。
・活動中
・緊張状態にある時
・ストレスなどを受けている時
・体を休ませている時
・睡眠中
・体がストレスを受けずリラックス状態にある時
こうした全く正反対の働きをする交感神経と副交感神経がうまく調整され、私たちの体は意識せずとも様々な部分が動いているのです。
夏に自律神経が乱れる理由
常に副交感神経と交感神経がバランスよくいてくれればいいのですが、これがうまくできない時も出てきます。
交感神経が働き緊張状態、またストレスを受けている疲労した状態になると、副交感神経が働き疲労回復を図ってくれるのですが、このバランスが崩れてしまうのが夏です。
夏はイベントも多く、出かけることも多くなります。
いつもは休息の時間、つまり副交感神経が働いている時間なのに、交感神経が活発に動いていると副交感神経が働く時間が少なくなります。
常にアクティブ状態が継続してしまうという事です。
リラックスできない、休息できない時間が継続し、副交感神経が働くことができずにいると、体はだんだんと疲労が蓄積した状態になり、だるさが取れず疲れも取れず、だんだんと自律神経系の働きができなくなっていき、自律神経失調症特有の症状が出てきます。
冷房病って何?
- 恒常性と自律神経
- 恒常性が保てないことで冷房病になる
恒常性というのは、人がもともと持っているバランス機能です。
例えば、夏の暑い時期には内臓の温度が上昇してしまわないように、毛穴を大きく開き汗をどんどん体外に出すことで内部を冷やす作用が働きます。
体の温度などを常に一定の状態に保とうとするこうした作用を恒常性といいます。
自然に身体が行っていること、つまり自律神経が働いて起ろる作用です。
現在の日本ではエアコンによって、
・夏、室内は涼しく室外は暑い
・冬、室内は温かく室外は寒い
温度調節をしなくてもしてくれる環境にいるという事です。
こうなると体の恒常性がだんだん弱くなってしまい、温度に対応できない体になってしまうのです。
すると体が妙に冷えてしまったり、だるさが取れない、疲労感が強い、眠れないなどの様々な症状が引き起こされます。
この冷房病という名前は正式な症状の名前ではなく、自律神経失調症の症状の一つです。
冷房病は女性に多い
冷房病の症状を訴えて病院へ受診する方の多くが女性です。
なぜ、女性に多いのかというと理由があります。
・筋肉量が男性よりも少ないので体内温度が上がりにくい
・月経等によって体温変化があり冷えを感じやすい
夏場でも男性は仕事場では靴下をはいています。
でも女性の場合、ストッキングをはいていればいい方で、職業によっては素足という方も多いです。
冷房が効いている環境でこうしたファッションは冷えを作りやすいファッションといえます。
冷房病の予防法
以前はあまりエアコンに頼らずに・・・なんて言いましたが、外気温が35度以上を超える今の日本の夏でエアコンに頼るなといってもそれはできない相談です。
ではどうすればいいのか・・・室内にいる人と室外からはいってくる人がお互いに適温と感じるための温度調節が必要です。
- 室外との温度差は5℃程度
- 快適に感じる温度は25℃くらい
- 冷房がかかっている状態での服装を考える
- ひざ掛けなど足元を冷やさない工夫をする
- 冷たいものを食べすぎない、内臓を冷やさない工夫を
- 半身浴などして適度に汗を流すことも必要
- 血液を流す軽い運動も効果的
外気温との差が5℃程度とはいっても、35度を超える猛暑では、5℃程度下げたところで涼しいとは感じないでしょう。
室内にいる人が快適に過ごせる温度はどのくらいなのか、適温を知るという事も大切です。
通常、夏の快適温度は25℃程度といわれています。
冷房病は自律神経失調症の一つの症状です。
通常は温度差があまりない季節になっていくとだるさや不眠、食欲不振などの症状が無くなっていくはずですが、長い期間継続するようなら、医師に診てもらった方が安心です。
放っておいても治ると思っていたのに、症状が悪化するという方もいますし、うつ状態になってしまう方も稀にいます。
そうならないように、半身浴で体をリラックスし、適度な疲労感を得てからベッドに入るなど、質の高い睡眠ができるように心がけることも大切です。