吃音症(きつおんしょう)の原因や症状 治し方は?
吃音症(きつおんしょう)という病気をご存じでしょうか?
一般的には、「どもり」とも呼ばれる言語障害が主に症状として現れる病気です。
吃音症は後天的に突然その症状があらわれることから、何より自分自身がビックリして動揺してしまいます。
そして、社会生活の中でも様々な難点が出てきてしまい、気にすることで余計に治りが遅くなるという特性もあります。
また吃音症は治らないという方もいますが、アナウンサーの小倉智昭さんや政治家の田中角栄さんなど、吃音症を克服した有名人も多くいらっしゃいます。
つまりはしっかりと落ち着いて治せば、必ず治る病気でもあるんですね。
ただ学校や会社で突然吃音症になり苦しんでいる方も多く、また周りの理解がまだまだ得られていないのも長引く原因とされていて問題視されています。
今日はまだまだ馴染みの薄い病気「吃音症(きつおんしょう」について解説していきたいと思います。
吃音症になる原因
吃音症とは、言葉を発するときに同じ言葉を発してしまったり、パっと言葉が出てこず話せなくなる、一種の言語障害です、
これは脳が声帯に正しく指令を送れず、言葉を発する動きがスムーズに行われなくなるのです。
そして吃音症になる原因は大きく分けると2つあげられるといわれています。
大勢の人前に立ったり、過度なプレッシャーなどから強いストレスを感じたり、幼少期に親からきつく怒られた事やトラウマとなるような出来事に合った場合など、外部からの圧によって極度の緊張状態から脳にトラブルを起こして吃音症を引き起こします。
器質的疾患は発語筋や声帯などに、痙攣などの発作がおきて引き起こされることです。
ただこの場合も、強い緊張やストレスから痙攣や障害が引き起こされます。
吃音症の原因は様々な要因があるといわれていますが、その多くは幼少期にうまく話せない事を親に何度も注意されたり、
無理やり治そうとされたためプレッシャーを感じたり、自分はうまく話せないんだという思い込みが続いている場合が多いです。
吃音症の症状
吃音症の症状には、いくつかの傾向がみられるのが特徴です。
- 連続的に言葉を発する吃音症
- 伸ばして発音する吃音症
- 無音吃音症
- 言葉づまり吃音症
「こ、こ、こ、こんにちは」のように、言葉の頭文字を連続して発してしまう。
裸の大将で有名な画家の山下清さんは、このタイプの吃音症だったといわれています。
「こーーんにちは」といったように、言葉の頭を伸びて発してしまう。
話そうとしても、言葉が出てこず無音状態になってしまう。
話している途中で急に声が出なくなり、会話が中断してしまう。
またこれらの症状がいくつか組み合さっている症状の方もいます。
もしご自身や、お子さんに上記のような症状がみられる場合は吃音症の可能性があるかもしれません。
吃音症の治し方
吃音症は治らないといわれていましたが、実際は治る病気です。
ただ治すために一番大切な事は、「決して焦らない」という事です。
そもそも緊張状態やストレスが原因で吃音症になる場合が多いので、吃音症を気にしすぎたり早く治したいと焦るのは、精神的な不安定さを増してしまう事になります。
基本的にしっかりと治療を行い吃音症を治そうという人でも、平均半年~一年程度の時間を要する場合が多いです。
必ず治るという事実を知って安心感を持ちならが、徐々に改善していくことが治すための最短距離になります。
何科を受診すればよい?
吃音症の疑いがある場合、まずは病院に相談することをおススメします。
精神科か神経科または耳鼻咽喉科などでの診察になりますが、まだまだ原因不明な部分も多いとされている症状ですので、吃音症に詳しく精通している病院を見つけることが大切になります。
また病院だからと安心せずに、病院や先生と合う合わないがあると思いますので、ご自身やお子さんを安心して治療させてあげられると判断できる病院を選べるように、何件か訪問して選ばれるのがよいかと思います。
病院での治療は言語聴覚士さんによる言語リハビリや、臨床心理士さんによるメンタルへのアプローチなど様々です。
ただ日本ではまだまだ豊富な知識をもった言語聴覚士さんなどが少ない現状があります。
民間療法でも治療を行っているところもありますが、保険対象外な事も多く治療費がかさみますので、まずはお近くの病院から始めるのがよいでしょう。
自宅でできる治し方
詳しい治療は専門医にお聞きするとして、ここではご自宅でもできる吃音症の治し方についてご紹介します。
- とにかくゆっくりと話すようにする
- ストレッチをして筋肉の緊張を解く
- 呼吸(腹式呼吸)を意識する
- 吃音の時の自分を分析する
- 会話に抑揚をつける意識をする
- 吃音症である事を周りに相談する
吃音症と特徴に早口というのがあります。意識的にゆっくりと話す事を心がけて習慣化させます。
吃音症の方は筋肉が常に固く、緊張状態にあります。ストレッチや運動で体を動かし緊張感を解くことが大切です。
これもリラックス状態を作るために大切なことで、息を吸うときお腹が膨らみ、吐いた時にはお腹をへこませる腹式呼吸を意識します。
最初は難しいですが、繰り返しているうちに身につける事ができます。
吃音の方でも一人でいるときや、歌を歌うときは吃音がでないという場合も多いです。
吃音が出る時の喉の動きは?アゴや舌は?など、普通に話せるときと違う動きをしていないかを冷静に分析するようにします。
吃音の特徴として、単調な話し方をするというのもあります。
抑揚をつけて話す事を意識すると、吃音のクセが抜けやすくなります。
吃音症である事を学校や職場で隠す場合が多いですが、周りに理解してもらう事で精神的な安心感ができやすいです。
真摯に受け止めてもらえない事もあるかもしれませんが、中には必ずご自身を理解してくれる方がいるはずです。
子供の吃音症の治し方
吃音症の90%が幼児期に発症していて、大人のようにストレスやトラウマ、脳や神経の問題などとは違い、原因がわかっていない実情があります。
幼少期にどもり癖がある場合は、必ず治る症状ですので焦らず根気よく治していくようにしてあげてください。
- 言語聴覚士に相談する
- ゆっくりと子供に接する
吃音症の専門医ともいえる言語聴覚士のいる、お近くの児童相談所や病院などに1度相談されることをおすすめします。
小さなお子様は吃音症が治りやすい時期ですので、年齢別に対処法を熟知している専門医にアドバイスをもらうのが最短で治る道だといえます。
「何言ってるかわからない!」「はっきり話しなさい!」とつめよる事は、子供にプレッシャーやストレスを与えて逆効果なだけです。
子供は吃音である自覚が無い場合も多いので、ゆっくり話してみて?もう一度話してみて?と言い直しさせるのもよくありません。
子供が話そうとしていることを注意深く聞いてあげたり、途中でさえぎらずに最後まで聞いてあげるとよいでしょう。
またこちらもゆっくりと間をとって話すことで、子供も真似してゆっくり丁寧に話そうとしてくれます。
吃音症は自分は上手く話せない、、という心因がより吃音症を悪化させてしまいます。
無理にうまく話そうとする必要はなく、少しでも相手に伝わるようにゆっくりと話そうとする意識が大切で、その事が無意識のうちに自分への自信に繋がり、改善の兆しが見えてきます。
親御さんなどご家族の方のサポートが何より大切なのは当然ですが、大人の方であればご自身が周りの影響を少しでも気にせず、焦らずゆっくりと改善していこうという想いを持ち続けることが大切です。
(くれぐれも周りや自分にプレッシャーを与えるような、意気込みは必要ありませんよ)
長期的な目標で少しずつ少しずつ改善していけばよいわけですから、ぜひ焦らずに前進していって頂ければ何より幸いです。