干支に猫(ネコ)がいない理由
子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥
(ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い)
はい、干支ですね。
ネズミ、牛、トラ、うさぎ、龍、ヘビ、馬、ヒツジ、サル、鶏、犬、イノシシ。
12種類の動物が、その年の象徴として毎年入れ替わり年賀状にも顔を出しますが、子供の頃、なぜ干支に猫がいないのか気になりませんでしたか?
犬がいるなら猫もいるでしょ普通? 龍がいるのに、より身近な猫がなんでいないの??
筆者である私は、とても不思議に思ったものです。
そんな疑問を持っている方がいるかは知りませんが(いえ、きっといるはず!)、今回は季節外れですが、、干支に猫がいない理由についてお答えしてみたいと思います。
干支の始まりと意味
まず、毎年何となく「今年は○○年か!」と言っている干支についてですが、
干支は、月の満ち欠けなど、天文学を利用した日や月を表すカレンダー的な役割として、紀元前1600年ごろ(!)の中国で利用されていました。
それが紀元前200年頃、暦(太陰太陽暦)を国民にも覚えやすくするために、動物の名前を使って区別化し、広げられたとされています。
干支の文化は以外と知られていませんが、中国周辺の国々である、韓国や北朝鮮、モンゴル、タイ、ベトナム、インド、ロシアやブルガリなど複数の国で使用されています。
そして日本へは、西暦553年頃伝わってきたと最も古い歴史書の一つ「日本書紀」によって伝えられています。
干支に猫(ネコ)がいない理由
さて、干支に猫がいないのにはちゃんと理由があるのですが、実はこの理由は日本特有のもので、発祥の地である中国のものではありません。
日本の中でも厳密には、福島地方の逸話が全国に広がり、猫がいない理由として一般化されているのです。
そのポピュラーな逸話はこのようなものです。
【十二支の始まり】
昔々、神様がいつもけんかをしている動物たちに手を焼いていました。
そこで神様は、
「お前たちのリーダーを決める!年明けの元旦に、一番早くワシに挨拶に来た者をリーダーにする!」
「その後は毎年入れ替わりで、十二匹の動物までをリーダーにしていく」と宣言しました。
猫もその噂を聞きつけ、近くにいたネズミに尋ねました。
「“元旦の朝”に神様のところに挨拶にいくんだよな?」
するとネズミは答えます。
「違うよ猫さん。元旦はゆっくりするもんだよ。?二日の朝”に挨拶に行くんだよ」
「あぁ、そうか二日か。ありがとうネズミさん」
そしてまだ出発まで時間があるなと、猫は家でゆっくり寝ることにしました。
一方、元旦に一番乗りするために歩きの遅い牛は、
「僕は歩くのが遅いから、早めにでないと、、」と、大みそかの夜から神様の元へ出発することにしました。
その動きをみていた小さなネズミは、広い牛の背中の上にこっそりと乗り込み、牛の上で眠りました。
そして、朝方に神様が待つ門の前に着くと、むくっと起き上がり、
「ありがとよ牛さん!」
牛から降りてサッと一番乗りで門をくぐってしまいます。
一番のりしたネズミ、それに引き続きゆっくり進んできた牛、トラ、ウサギ、龍、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、鶏、犬、イノシシの順番で、どんどんと神様のところへ訪れ挨拶を済ましました。
そして翌日、頑張って二日の朝一番に神様の元へ訪れた猫ですが、
「何をしとったんじゃ!もうとっくに締め切られているぞ!寝ぼけているのか?顔を洗ってこい!」と逆に神様に怒られる始末。
結局一日到着が遅かった猫は、十二匹の動物の中に入る事が出来ませんでした。
それ以来、猫は顔を洗うようになり、騙したネズミを嫌いネズミを追いかけるようになったとさ。
この物語が最も有名な猫がいない理由のもとになっています。
アニメ見る物語
ネコ年は実はある?
実は十二支の動物は、国によって微妙に異なっています。
ベトナムでは牛ではなく水牛だったり、中国ではイノシシではなく豚、モンゴルではトラではなくヒョウと、国に馴染み深い動物が使われているのです。
そして、チベット、タイ、ベトナムなどではウサギの代わりに猫が使われていて、猫年が存在するんです。
こうしてみても動物の種類には特に意味がないことがわかりますね。
ちなみに干支にはそれぞれ縁起物の意味として、
◆丑(うし)・・・誠実さ
◆寅(とら)・・・決断力、物事の始まり
◆卯(う)・・・家内安全、温厚さ
◆辰(たつ)・・・生命活動、正義感、信頼
◆巳(み)・・・情熱、追求心
◆午(うま)・・・健康、ほがらかさ
◆未(ひつじ)・・・豊作、人情
◆申(さる)・・・日和、柔軟さ
◆酉(とり)・・・収穫、世話好き
◆戌(いぬ)・・・安産、努力
◆亥(い)・・・無病息災、勇気
生まれ年はもちろん、今年が何の干支にあたるかをチェックしてその年の指針の1つにされるのもよいのではないでしょうか。
今回は干支と猫についてお届けしましたがいかがでしたでしょうか?
逸話に関しては知っている方も多いとは思いますが、あらためて理由を知ると結構面白いですよね。
特に小さな子供には、干支を覚える意味でも日本昔話の一つとして、伝え聞かせてあげるのが良いのじゃないでしょうか?